The Klein-Gordon Field (4)
2.3 The Klein-Gordon Field as Harmonic Oscillators
今回から 2.3 節に入る.
まずは最も単純な Klein-Gordon 場から議論を始める.これまでに学んできた Klein-Gordon 場の古典理論を量子化するために, と を演算子に昇格させ,適切な交換関係を課す.離散的な系の場合,交換関係は
であった.連続的な系への一般化は,クロネッカーデルタの代わりにディラックのデルタ関数を使えばよい.
ここでは, と が時間に依存しない Schrödinger 表示を採用する.
と の関数であるハミルトニアンも演算子になる.つぎにすべきことは,ハミルトニアンのスペクトルを見つけることである.場を Fourier 展開して,
( であり, が実数となるように)すれば,Klein-Gordon 方程式 (2.7) は以下のようになる.
これは振動数が
単純な調和振動子は,我々がすでに見つけ方を知っているスペクトルを持つ系である.以下では簡単にそれを復習する.ハミルトニアンを次のように書く.
正準交換関係 は,
と同等である.今,ハミルトニアンは,
と書ける. のような状態 は,零点エネルギーである を固有値として持つ の固有状態である.さらに,交換子
によって,状態
は、固有値 の の固有状態であることを簡単に確認できる.これらの状態はスペクトルを取り尽くす.
我々は,同じやり方で Klein-Gordon ハミルトニアンのスペクトルを見つけることができるが,今,場の各フーリエモードは独自の と を持つ独立した振動子として扱われる.(2.23) からの類推で,
のように書ける.これ以降の計算では,(2.25),(2.26) の第二項において, の変換を行って得られる次の式が便利である.
交換関係 (2.24) は,
となり, と の交換子が,以下で示すように正しく計算されることが確認できる.
なので,
となり,デルタ関数の公式
も用いて計算すれば,