ハミルトニアン導出の補足
前回,連続的な系におけるハミルトニアンが
であることを導いた.しかし,場の理論の初学者がこのハミルトニアン導出までの流れを一読して理解することは難しい.ここでは無限個の調和振動子が並んだ一次元系を例に,この流れを再現する*1.以下の議論を各々3次元系へと拡張すれば,前回の内容も少しはわかりやすくなると期待される.
さて,上述の通り,一次元系に無限個の調和振動子が並んでいると思おう. 番目の調和振動子の座標を とし,各調和振動子は間隔 で並んでいるとする.この系のラグランジアンを書くと,
となる.系が離散的なので, , であることを使った.
ここで,
とする.ここで, である.このときハミルトニアンは,
と求まる.これを3次元系へ拡張すれば,確かに前回導いたハミルトニアンや共役運動量密度の式が出る.